企業DNAに根ざした“教科書”をつくる

 

お話を伺ったクライアント(制作ご担当者様)

日清エンジニアリング株式会社
(写真右から)
取締役 経営企画部長:伊藤 康伸様
技術顧問:古川 敏弘様
エンジニアリング事業本部:長峯 久美子様
経営企画部担当課長補佐:藤橋 大輝様

制作物

『NE-WAY 日清エンジニアリング アーカイブ 1972→2022』

ご担当者様インタビュー

いかにノウハウや実績を継承するかを考え抜いて

■制作物をつくろうとされた意図

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古川様

当社社長の村田が、いかにノウハウと実績を次代に継承していくかを考え抜いた結果でした。社長は、培った知識や技術の継承に関して本当に強い想いを持っており、「若い社員の教科書にしたい」とよく言っていました。私はこの言葉が特に印象に残っていて、「教科書をつくるんだ」と思ったことを今も覚えています。また、制作にあたっても、課題が生じるごとにトップダウンで迅速に判断することができ、長期間に渡る編集作業を完遂できたと考えています。

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伊藤様

「教科書」というのが、まさにふさわしい呼び名です。社史ではなく技術集でもない。これまで培ってきた“実績”には、成功もあり失敗もあり、優れたノウハウもありました。単なる過去の記録ではなく未来へ向けた資料として道標になるものであり、教科書という言葉がしっくりと当てはまりました。

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古川様

当社には多数の実績(プロジェクト)がありますが、個別プロジェクトの詳細内容やノウハウは担当した社員しかわからないものも多く見られました。プロジェクトで得られたノウハウを伝承するには、今回制作した「NE-WAY」という形態でしか実現できなかったのではないかと思っています。

■基礎資料づくりについて

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古川様

資料づくりは、粉体機器・技術関係、エンジニアリング関係と担当を分ける形で進めました。
エトレさんから「基礎年表をしっかりつくられたほうが良い」とアドバイスをもらい取り掛かりましたが、プロジェクトの選定にはかなりの時間を要しました。もろもろの資料を熟読し、何を掲載するかを判断するには、あまりにも大量のプロジェクト数でした。プロジェクト規模で抽出したのですが、掲載したほうが良いと思われるプロジェクトも少なくなく、選定作業に想定以上の時間を要しました。

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伊藤様

集めたプロジェクトを、その内容や難しさから整理するのは40年以上のキャリアを持つ古川だからこそ捌(さば)けたのだと思います。
「チャレンジしたけれど、うまくいかなかった」など、ある意味、失敗事例はわかりやすいものです。しかし成功事例の場合は表に出てきません。例えば初めて挑戦する分野や技術的なチャレンジを汲み取るには経験が必要であり、作業は困難を極めました。

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古川様

成功した事例を記録して伝えることは、「自信を持て」ということにつながると思います。「こういうすごい仕事をしている。自信を持ちなさい」と…。

■制作過程でお感じになったことは

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古川様

当社のコア技術を駆使した粉体機器などは、世界的にもユニークで、ネットで調べても簡単に理解できるものでもありません。それでもエトレさんの担当者の方々は、こちらがニュアンスが違うなと感じる部分も編集段階で汲み取り、細かい言葉遣いにまで注意し仕上げていただきました。原稿については本当に隅々まで見ました。休みも惜しんで読みこんだことを思い出します。

■デジタルブック化について

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藤橋様

機密情報が含まれることから社内限定とし、なおかつデジタルブックという形態を採用しました。デジタルブックの利点は使う側がすぐに見られることです。当社の場合、現場への出張も多く、いつでもどこでもタイムリーに見られるようにしたいという思いがありました。無論のこと、セキュリティ対策には万全を期しました。

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伊藤様

理解しやすさから言えば、冊子のほうが勝っていますが、検索性や更新を考えるとデジタルのほうが良いなど、それぞれ良い面があります。
我々は教科書をつくろうとしていたので、「活用できる」ことが大事であり、当社の業務のあり方や世の中の流れからすると、デジタルブックの優位性は高いと判断しました。
デジタルブック化にあたっては、「どのようなツールを使い、どのように活用するか」「見え方や操作のしやすさなどどうか」といった点は大事だと考えていましたが、提案いただいたデジタルブックはイメージ通りのもので、ストーリー性を感じられるものにしたいという思いも実現できました。

過去の記録でも技術集でもない、技術やノウハウを伝える未来への道標

■デジタルブックの活用について

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伊藤様

「NE-WAY」の活用に関しては、例えば設計段階で課題があり過去の事例を見てみようとか、新しいプロジェクトに着手するので過去のプロジェクトを探そうという場合に利用するものであり、閲覧数が増えれば良いというものではありません。回数ではなく深度が重要で、閲覧が1回でも深く理解してもらえば良いと考えています。
社内周知といった面では、社内掲示板や全社通達などで紹介しています。次年度に掲載するプロジェクトの検討も同時に行っており、これを何年も続けることで浸透していくものだと考えています。

■振り返り思われること、アドバイスなど

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古川様

「NE-WAY」は、最初に50年の流れがあり、次に直近20年の詳細を設けるなど、全体的に良く構成できていると思っていますが、欲を言えば、最初の30年間のノウハウも十分に記録しておきたかったとの思いもあります。先人が苦労してやってきたことでしたが、当時の担当者もおらず、資料も少ないため、実現はなかなか難しいことでした。
今回、いつ、誰が、何のために設備導入したかという経緯などは、伝承されていないことが多いため、単に歴史を残すのではなく、プロジェクトを残していくことの重要性を改めて感じました。技術系や製造業に携わる者にとって、技術やノウハウの伝承、継承の手法については興味を持たれることではないでしょうか。

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伊藤様

アーカイブとして技術を残す方法もあるわけですが、今回は当社の文化やDNAを残したと思っています。形にできないものの残し方として、今回のような選択肢があるということに気付かされました。パートナーのエトレさんと一緒に、丁寧に取り組んだ集大成が「NE-WAY」だと思っています。

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藤橋様

若手・中堅社員の立場から言えば、ノウハウをもっと知りたいわけです。しかし口頭だけでは情報に接する機会が限られてしまいます。こうした意味合いからすると、「NE-WAY」は、まさに架け橋的存在であり窓口です。「NE-WAY」を見て学ぶことはもちろん、「NE-WAY」をきっかけに担当者本人との会話が生まれ、よりプロジェクトの内容に対する理解も深まるはずです。
情報共有は必要な取り組みとはいえ、どうすればよいかわからない企業様も少なくないと思います。当社もいろいろ試みてきたわけですが、普通の社史のように年表の羅列だけでは、つながりがわかりません。プロジェクトが記載されている「NE-WAY」は、今後の活用が期待できるのではと思っています。

※社名・肩書・事実関係は掲載当時(2023年11月)のものです。

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