Q.社史担当者は、何から始めたらいい?

A.社史制作プロジェクトの成功は、3つの初期計画と準備にかかっています。

①目的(コンセプト)と読者ターゲットの明確化

 まずは「誰に向けて何を伝えたいか」を考えることから始めましょう。社内あるいは社外に向けて、周年事業を通じて何を伝え、どんな関係をつくりたいか。それこそが、周年事業の出発点になり、目的地になります。
 近年は、社内向け(インナーブランディング)に重きを置く企業が多い傾向にあります。従業員自らが創業の理念や歴史を理解し、学び、未来への意識・行動改革をもたらすことを目的としているためです。
 取引先や関係者との関係強化を目的とした、商機重視の記念誌タイプもあります。
 また、ボリューム感のある社史を部数限定で発刊し、一方でその内容をダイジェスト版として読みやすく再編集。社内外に向けて、冊子やウェブサイト、デジタルブック等で発信するなど、ハイブリッドなメディア展開も増えてきています。
 可能な予算のなかで、編集方針や全体構成、メディア展開を考えていきましょう。

②体制構築(メンバー集め)と役割分担

 経営陣のコミットメントと社内横断的な協力体制が、社史制作の成否を決定づけます。
【理想の体制】
 各部署から選抜された4~5人で社史編纂チームを構成し、決定権を持つ役員をリーダーに据え、実務を担う事務局担当者を配置。さらに将来の人材戦略としてメンバーに若手社員や、歴史や企業文化を知るアドバイザーとしてベテラン・OBを起用。
【よくある体制】
 1人ないしは2~3人が日常業務と並行して社史制作を兼任で担当するケース。この場合は、社史編纂の実績を持つ外部の専門会社(制作パートナー)の活用が不可欠です。制作パートナーは、企画立案から執筆などの制作全般はもちろん、OBやトップへの取材など、多岐にわたりプロジェクトをサポートできます。社内担当者が資料収集や社内調整を行い、制作パートナーが編集実務を遂行することで、スムーズな進行管理と目的に沿った質の高い社史が実現できます。

③スケジューリングと資料の棚卸し

 社史制作におけるスケジューリングと資料の棚卸しは、成功の鍵となる実務上の要点です。
 社史制作は企画立案から納品まで一般的に1~2年の制作期間を要します。そのため資料収集や制作、予算立てを考えると、周年の2~3年前からの着手が理想とされています。
 また、制作開始前に、既存資料の棚卸しを行うことがスムーズな企画進行に不可欠です。必要な資料は、創業時資料、定款、社内報、写真、過去のパンフレットなど多岐にわたります。社史編纂は、散在しがちな資料を集約・整理する絶好の機会でもあり、未来へ受け継ぎ、利活用できる貴重な財産となります。資料が不足している場合は、OBや古参社員へのインタビュー、過去の新聞記事検索、業界史・郷土史などを活用して情報を補完することも行います。また、社史制作とあわせてデジタルアーカイブの構築など、資料管理の一元化も検討されることもおすすめいたします。

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