周年事業室の強み

なぜ歴史を振り返るのか、歴史を読み解くことにどのような意味があるのか。素朴な疑問は、周年事業を考える際の出発点だといえるでしょう。
企業や団体などの組織周年は、人の誕生日のように周りから祝福されるものではありません。わざわざ世に問い、わざわざ自らの手で祝う組織周年は、生き方を問題にする企業や団体特有のものかもしれません。すなわち、正しい生き方を確立するための模索のチャンスであり、「かえりみの時」であると。その模索は、これまでの歴史に学ぶということであり、歴史の中に生きてきた先人の経験からひとつの真実を引き出してくることにほかなりません。

祖先の残した道は祖先に任し、自分の力で未来への道を切り開く。歴史への関心のなさ、史観の欠如は、それはそれで勇ましく、今を生きる者にとってよく理解できます。しかし、歴史は急激な変革の時代においてもっともかえりみられるもの。危機意識のないところに、歴史的意識は生まれないともいえるでしょう。組織周年は、危機意識の多寡をはかる尺度になりかねません、あだやおろそかにすることはできないでしょう。

私たちは、周年事業に関する幅広い知識と豊富な経験に基づいた編集ノウハウで、お客様の周年事業を支援します。

編集という職能の強み

周年事業の目的は、おおよそ次の4点に集約できるように思います。

  • 先達の英知、決断、行動、勇気を知り、学び、今後の経営や行動の指針とする。
  • 組織の求心性・一体感を高め、愛社精神の涵養に役立てる。
  • 企業イメージ向上、グッドウイル獲得
  • 取引先、業界、社会に対して感謝の気持ち・誠意を伝える。

これらはトレードオフの関係で、すべての目的を満たそうとすれば「あちら立てれば、こちらが立たぬ」ことになりかねません。目的には軽重があり、それぞれの目的を遂行する固有のメディアを創造し、組み合わせ、按配良く周年事業を組み立てていかなければなりません。その手練れた発想こそ、編集という職能が本来備えている能力なのです。
私どものメンバーの大半に共通するのは編集という職能であり、編集経験から発想する企画やアイデアをもって周年事業に取り組みます。一般に編集者といえば、雑誌や書籍のように企画を立て、原稿を手配し、レイアウトに定着し、印刷に回すという一連の仕事の切り回し役であり、制作の中心にあって組織を束ね、縁の下で雑務もこなすというイメージはほぼ実態どおりだといえます。周年事業におけるその仕事は、紙のメディアに制約されるものではなく、デジタルメディアや展示、映像、イベントやプロモーション、教育など幅広い範囲にわたります。周年事業の目的を噛みしめ、必要不可欠なメディアや取り組みを導き出す喜びを、肌身で感じることのできる者たちです。

キャスティングとネットワークが力の源泉

周年事業は自由設計の家づくりのようなものですから、仮に編集者を現場責任者であるとして、優秀な大工や左官、ガラス職人や電気工事者が必要です。現場責任者だけですべてを成し遂げることはできません。よりよい品質を追求するために、必要な専門性とスキルを調達する力が常に問われているのです。
編集者を起用し、編集の力を導入することで、周年事業の土俵は一気に広がります。想像する以上にいろいろなことを実現することができます。それは、編集者のキャスティング力、ネットワーク力、そして調達力にかかっているといえるでしょう。 私どもは、さまざまなクリエーターやアーカイブアドバイザー、イベント運営会社、印刷会社などとのネットワークを生かして周年事業に取り組んでいます。信頼関係の上に築かれたネットワークが、私どもを実物大以上の力を授けられた“ただの編集者”にしているのです。

周年事業のその後に

周年事業が終わった後に、継続して取り組まなければならないことがあります。それは周年を機に集められた歴史的情報や知識資産を整理し、保存し、次周年に備えることであり、何よりその日常的な活用をめざすことです。一般的にはデジタルアーカイブという言葉で済まされてしまいますが、「情報創庫づくり」といったほうが似合うように思います。

周年事業のその後にも「出来事」、「人」、「エピソード」といった情報や「ビジュアル素材」の編集作業を続け、情報倉庫に蓄え、いつでも使用できるようにすることが周年事業の一番大きな目的なのかもしれません。そのために、一期一会ではなく、継続的な周年事業として編集者を活用していかれることをおすすめします。